その時歴史は

ところで、行く前に「その時歴史が動いたスペシャル - 三国志英雄伝」を録画しておいたので、帰ってきてから見ました。はっきり言ってガッカリでした。私が結構な三国志マニアだからなのですが、内容的に目新しいものは何もありませんでしたし、あぁ、そうそう、住民の半数以上が諸葛孔明の子孫だと言う村が 9 年前に発見された、とかいうのは初めて見ましたが、そんな村が発見されちゃうのが中国の凄いところと言うかなんと言うか……。それはともかくとしても、三国時代のことについて今更新発見などそんなにあるものでもないので、仕方ないとも言えるのですが、なにか角度を変えた切り口とかそういったものが全然なかったなーというのが正直な感想です。第1部と第2部に分けてまでやるほどの事もなかったと思う。
それだけでなく、エンターテインメントとして第一級であるのは間違いないにしても、あくまで娯楽作品であり、史料としての価値の薄い「三国志演義」をほとんど史実だったとか言いきっちゃうとことか、あまりにも蜀漢に肩入れしすぎて、孔明をヒーロー視しすぎていたこととか(孔明は政治家としてはともかく、軍師としてはそれほどのものでもなかったらしいですし)、現在は観光地化している岸壁に「赤壁」と赤字で大書された場所、についても実際に「赤壁の戦い」があった場所であったかどうか疑われている、というかおそらくそこではなかったというのが定説だったりするのに「ここが赤壁です」って言いきっちゃったり、首を傾げたくなる個所はいくらでもあったのですが、何よりガッカリしたのが、司会者?の松平定知が「諸葛亮孔明諸葛亮孔明」と連発していたことだったりします*1。それに、番組中結構な頻度で映し出されていた、蜀の君主と軍師宰相の2人の肖像画に入っていた文字は「劉備」と「孔明*2でしたし。ゲストの陳舜臣は黙っていたのでしょうか?
この番組結構人気あるみたいだけど、いつもこの程度の内容なんでしょうか?

*1:蜀の軍師兼宰相であった、諸葛孔明。彼の名前は姓は「諸葛」、名は「亮」、「孔明」は字(あざな)。字というのがなにか、というのはちょっと私にはうまく説明できないのでしませんが、誰かの名前を呼ぶ場合、姓-名、もしくは姓-字(あるいは字のみ)で呼び、姓-名-字の形式で呼ぶことは決してない、というのは、多少なりとも中国歴史ものが好きな人にとっては、一種常識と言ってもよい事実です。孔明の場合ならば、「諸葛亮」または「諸葛孔明」と呼ぶのが正しいわけです。でも、VTR のナレーションでも「諸葛亮孔明」と何度も呼んでいたし、スタッフに一人も知ってる人はいなかったのかしら、と思わされました

*2:劉備」は姓-名形式で「孔明」は字なわけで、それを並記すると言うのもいかがなものかと思うわけですよ。まぁ「諸葛亮孔明」に比べりゃマシですが