真保裕一

以前別の場所で「ホワイトアウト (新潮文庫)」が面白い、なんてことを書いたことがあるのですが、最近になって他の真保裕一作品をいくつか読みました。

「連鎖」と「震源」が長編で、「防壁」と「トライアル」は短編集なんですが、特にお勧めは長編の方。ミステリーは嫌い、とか言うくらい極端な嗜好の持ち主や、読書が苦痛とかいう困った方でない限りはそれなりに楽しめると思います。
この人の作品は、「小役人シリーズ」などと呼称されることもあるくらい、変わった職業、しかも特に公務員の人が主人公になることが多いです。僕が読んだ作品についてだけ列挙してみる(正式名称じゃないです)と、気象庁地震火山研究官・SP・海上保安庁の特殊救難隊・不発弾処理班の自衛官・消防士・競輪選手・地方競馬騎手・競艇選手・オートレーサー・厚生省の元食品衛生監視員で現在検疫所の検査員?・巨大水力発電所の管理員、てな感じなんですが、これがまたそんなにミステリーを読まない私にしてみると、とても新鮮な感じ。ま、何が言いたいかというと、大変面白うございました。
ところでAmazonで上記作品のレビューをざっと読んでみたんだが、「奪取」というのが傑作らしい。今度読んでみよう。