イマジン

イマジン

イマジン

週刊プレイボーイに連載されていた。連載開始当初は読んでいたのだが、途中で雑誌自体を読まなくなってしまったので、続きが気になっていた小説。清水義範って長編も書けるんですね、ってまぁ「金鯱の夢」とか知ってて失礼なことを言ってみる。
このところよく読んでいる真保裕一の小説は、そういうテクニックだってのはなんとなく判るんだけど、大抵の場合、全ては描ききらずに終わるので、いつも読後に物足りなさを覚えていた。対して、この小説は途中で語られた伏線の類には全て決着をつけて終わっているので、読後感は気持ちよい。というか、すっぱりと帰ってこられるとでも言えばいいだろうか。かつて平井和正田中芳樹に「終わらない長編小説」を読まされ続けた反動なのか、とても気持ちが良かった。まあ、こういう終わらせ方はこの作者らしいって気がしますね。余韻を残す清水義範ってのもどうも想像しづらい。
ともかく面白うございました。